癌とはいったい何がどうなってしまう病気なのでしょう。
癌は、本来自分の正常な細胞が分裂する際に異常を起こし、死なない細胞となってしまうもので、細菌やウィルスなど外的な要因で起こる病気ではありません。正常な細胞は一定期間で死滅し新しい細胞に入れ替わるのですが、がん細胞はそのままどんどん増殖し続けます。また増殖するための力も強く、自分のまわりに血管をつくり栄養を吸い取ってしまいます。
さらにがん細胞は他の臓器に転移することができます。転移すると各器官が機能不全を起こし、命にかかわるものとなってしまうのです。実はがん細胞は毎日私たちの体の中にできています。けれどそれらは免疫機能の働きにより、異物として取り除かれてしまいます。ところが取り除かれなかったがん細胞が残ってしまうと増殖し、癌の病巣となってしまうのです。
このように自分の細胞ががん細胞となるので、治療もその人により効果が大きく異なる場合があります。また他の臓器に転移する能力を持っているので、さらに癌は治りにくい病気となっているのです。また一見治ったようでもがん幹細胞というわれる大元が残っていることもあり、再発を繰り返すことになります。
けれど現在ではがん幹細胞の状況が解明され、また抗がん剤治療もどんどんと開発されており、遺伝子に関するような新しい治療も研究されています。
やがては癌も治る病気となるでしょう。
乳がんというのは、主に女性が多くかかる病です。大人の女性の乳房というのは、乳腺が、乳頭を中心に放射状に15個から20個ほど並んでいます。乳腺は、細かくわかれて、乳管で繋がっています。乳がんのほとんどは、この乳管から発祥します。30歳代から増加を始め、50歳前後が最もピークを迎えると呼ばれています。あらわれる症状としては、乳房にしこりができてきます。全てのしこりが癌とは限りませんが、しこりを見つけた場合は早急に検査をされることをオススメします。また、乳房にえくぼのようなくぼみができたり、皮膚が赤くはれたりする場合もあります。その他には、リンパ液の流れがせきとめられて、腕がむくんだり、しびれたりする場合もあります。
乳がんのがん細胞は、比較的小さい時期から乳腺の組織にこぼれ落ちるため、リンパ等にのって転移する可能性も多くあります。転移のない乳がんの症状の場合は、がん細胞を取り除く手術を行って治療します。このような外科手術や、放射線療法、薬物療法が治療症状として行われています。外科手術では乳房を切除する場合や、しこりのみを切除する場合がありますが、最近は再建も保険がきく部分もあり、アフターケアもふくめた治療が進んできつつあります。放射線を当ててがん細胞を死滅させる方法や、抗がん剤治療、ホルモン療法と呼ばれる治療もさかんに行われています。生存率も高い癌ですので、早期発見が大切です。
もし乳がんになってしまった方にしまったら、その際に知ってもらいたいこととしてつらさを和らげる一つの選択肢として、従来の医学的な治療にプラスして補足的に取り入れる「代替医療(補完代替療法)」の存在です。代替医療とは、乳がん治療と同時に、または手術後に、治療の副作用やストレスを軽減するための次の4つの方法です。アプリメント服用などの「健康補助食品」、「漢方」、「鍼灸」、「気功・ヨガ」、後半の3つは東洋医学ですね。代替医療の目的は、がん細胞そのものを治すことではなく、副作用やストレスの軽減です。上手に利用しながら、治療中・治療後の生活の質を高めていきたいですね。
前立腺は、恥骨の後ろ側にある、膀胱の下の尿道を取り巻いています。前立腺がんとは、その腺細胞が正常な生殖機能を失ってしまい、50歳を過ぎたあたりから発祥しやすくなる傾向があると言われておりますが、野菜をあまり取らないで、脂肪分の多い食事ばかり取っている人や、お酒が大好きでアルコールばかり取っている人にもなりやすい病気だと言われております。
初期は全く症状が無い事から、普段からきちんとした定期健診を受ける事が重要になってくる病気なのですが、癌が大きくなってくると、次第に尿の回数が増えてきたり、また残尿感を感じるようになったりと、尿に関するトラブルが多く目立ってくるのです。
前立腺がんの治療方法は、普通の癌とは違って、成長、増殖が遅いことから、発見されてもすぐに身体に影響がないと判断されれば、定期的な検診を行う事で経過を見ていきます。ですが、治療症状も他の癌と比べると比較的良いとされておりますので、場所が場所なだけに、なかなか定期健診に踏み切れない男性も多いかとは思いますが、積極的に早期発見につとめる事が重要と言えるでしょう。
ホルモン治療や手術になる前に、ご自身の食生活を一度見直すのも治療法に繋がる前立腺がん、出来るだけ早期発見をつとめるようにしましょう。
癌と言うと日本人の死亡原因の中のトップに位置するものです。癌保険などの固有の病気に対しての保険もあるくらいですから、多くの方も意識されている病気です。
そしてその中で今注目されているのが、甲状腺がんなのではないでしょうか?これにはもちろん理由があります。それは2011年3月に起きた東北大震災による、福島原発事故の影響からです。放射能の害はすでに多くのメディアが取り上げており、たくさんの方が認識していることと思われます。
今現在は終息宣言も出ておりますが、実際はまだ放射能は漏れている状況にあり、福島県内に住む方々を中心に、不安に思っている人はたくさんいます。
検査も定期的に行っているようですが、甲状腺の問題が出てきている子供もいるようです。実際に治療も行われているようですが、その治療症状が我々の耳に届くことはあまりありません。甲状腺がんは、喉にある甲状腺に問題が出てくるわけですが、現状出来ることとはヨードを摂取するなどが有名です。他には、早期治療が何より大切でしょうが、民間療法としては、例えば食事療法があります。
その中でも発酵食品は、非常に効果があると言われています。実際、事故の先輩ともいえるチェルノブイリでは日本の味噌が使われていたそうです。本物の味噌を使うことで少しでも治療になるのなら(例え科学的に未確認でも)、率先して使うことで精神的にも良い影響があるのではないでしょうか
癌の中でも、近年患者数が増加している肺がんについて、その治療症状をご紹介しましょう。
肺の役割は、呼吸によって吸い込む空気から酸素を体内に取り込んで、二酸化炭素を排出することです。空気は、気管を通って、左右の肺に分かれた後、さらに気管支をたどり肺胞に到着します。この肺胞で、二酸化炭素と酸素のガス交換が行われています。
肺がんは、気管・気管支・肺胞の一部細胞が、がん化したもので、進行すると血液やリンパに乗って広がります。
症状は、咳・呼吸困難・体重減少・喀痰・血痰・胸痛などです。気管や気管支に発生するがんは、痰や呼吸器の症状が現れるので発見しやすいのですが、肺の末梢に発生するがんでは、初期には症状が出ないので、注意が必要です。
肺がんの治療方法には、手術による外科療法、放射線療法、薬物療法があります。
小細胞がんでは、まずは、抗がん剤による治療が選択され、薬物療法不能の場合に放射線療法を取ります。
腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんなどの非小細胞がんでは、病巣が片側に限定していれば、外科療法が取られ手術を行います。反対側にリンパ節に転移があれば、抗がん剤治療も併用します。手術不能の場合は、放射線療法と抗がん剤治療が主体です。